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上記であげた通り、電源には幾つかのポイントがある。
1つは「品質」で、これはATX12V パワーサプライデザインガイドラインしかもVer1.2に準拠している事、すなわちPFCの搭載、PS ONのシグナルタイミングが10ms〜100msをクリアしているものが基準としてあげられる。
具体的には、Pentium4 1.6AGHz,1.8AGHz,2AGHz,2.2 GHz以上のCPU(Northwood)を使用した場合、「ATX12Vパワーサプライデザインガイドライン
Ver1.2」をクリアしていない電源を使用すると起動すらしないという現象が起こりえるのである。
しかし、現在市場で売られているものの中には、クリアしていないのに安全規格の表記をしているものも少なくない。安いからといって安直に買ってしまうと、安物買いの銭失いになる可能性もある。
かといって、むやみやたらに高いものを買えばいいという事でもない。
電源は、まず安全に気を配るべきである。きちんとした規格に準拠し、PFCにより高調波抑制および力率改善されたものを選ぶのがベストである。力率もより高いものを選んだ方がよいだろう。
2つ目は「容量」である。
これは当然といえば当然なのだが、最近ではどうも電源の大容量化ばかりが先行しているように見られる。
しかし、ここで考えてみよう。本当に500Wや600Wの電源が必要なのだろうか。これだけの容量の電源は既にサーバークラスである。
電源を選ぶ際には、まずどんなシステム構成にするかを考え、それに見合った電源を選択するべきである。
最近Intelの日本語サイトでもPentium4の消費電力などが公開されている。
これを見ると、2.0GHzで75.3Wというのがあるのに対し、2.4GHzでは57.8Wとなっている。
これは、WillametteコアとNorthwoodコアの違いによるものである。つまり、消費電力はクロック速度に必ずしも 比例するとは限らないのである。
Athlonにも同じ事が言え、現行はPalominoコアだが近い将来、Thorougbredが発売されれば上記と同じような事が 起こるだろう。
Athlonの場合は、現在は消費電力に関する情報は英文ページにしか記載されていないが、比較的簡単に手に入れる事が できる。
CPUの消費電力は、+5Vと+12Vのラインにて供給されるので、電源のこの部分の容量を見るといい。
更に、HDDやCD-ROMドライブ等のストレージデバイスは、+5Vと+12Vのラインにて供給される。
このように、組み立てたいシステム構成と消費電力を考え、上手に電源を選んだ方がよい。
こうして計算してみると、300Wの電源でもPentium4 2.4GHzを動かす事は可能なのである。
しかし、Pentium4 2.4GHzを選ぶようなユーザーは、HDDを多く積んだり、グラフィックボードもハイクラスのものを 使う事だろう。そうなると、300Wでは足りなくなる可能性もある。
あくまで目安だが、個人レベルで使用するPCであれば400W前後の容量があれば十分だろう。
それと、このクラスになってくると気になるのが電源ファンの音である。
そこで、電源を選ぶ際に「静音」に気をとられ過ぎてはいませんか?しかし、最近では電源のほとんどがファンコントロールを搭載しているので、今や電源の静音性は当たり前のものなのです。
電源選びで重要かつ、高クロックのCPUを使用する時の注意として、電源の容量よりも品質を重視してほしいという事である。 |
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