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電源選びのコツ― 80PLUS取得=エコなのか!? ―
  80PLUS取得=エコなのか!? 2009.05.19
 
○まず80PLUSって何?
PC用電源のAC→DC変換効率について、「ある基準」をパスした電源に与えられる認証であり、 この認証およびそれに関する検証は北米にある専門団体がおこなっています。

○AC→DC変換効率って何?
家庭用コンセントは「AC(交流)」と呼ばれる電気を供給します。
しかしPCに限らず、電気製品は「DC(直流)」と呼ばれる電気を必要とします。
ここで電源がAC→DC変換をおこない、必要な電気を作っているのです。
この際に、AC→DC変換では基本的には100WのAC電力から100WのDC電力は実際には作れません。
100WのDC電力を作るには、120WのAC電力が必要だったり、と電源によってはマチマチです。
このパーセンテージを「AC→DC変換効率」といいます。

○なんで最近AC→DC変換効率が注目されてるの?
前述したように、AC→DC変換効率が高ければ、無駄なく電気を使えます。
例えば100WのDC電力が必要な場合に、AC→DC変換効率が50%の電源を使うと200WのAC電力が必要になります。
ここでAC→DC変換効率が80%の電源を使うと、125WのAC電力でいいのです。
つまり、今流行りのエコにつながります。

○80PLUSの「ある基準」って?
簡単に整理すると、以下のような基準になっています。

電源の定格容量の 20% / 50% / 100% 負荷時について、それぞれのAC→DC変換効率が全て80%以上。

3パターンの負荷時、全てにおいて80%を超えていれば認証されます。

なお、一般的には50%負荷時が一番、AC→DC変換効率が高い傾向にあります。

○じゃあとりあえず80PLUS認証電源使えばいいの?

  ここが重要です。
結論から言うと、「場合によりけり」です。

前述では極端な例を出しましたが、仮に以下の2つの電源で比較するとします。
  電源1: 80PLUS取得 定格600W
    20%負荷時AC→DC変換効率=80%
    50%負荷時AC→DC変換効率=85%
    100%負荷時AC→DC変換効率=80%
       
  電源2: 80PLUS未取得 定格300W
    20%負荷時AC→DC変換効率=75%
    50%負荷時AC→DC変換効率=82%
    100%負荷時AC→DC変換効率=75%
検証1
電源1、電源2にそれぞれ150Wの負荷をかける。

電源1は定格600Wなので、150W負荷は25%負荷になります。
従って20%負荷時のAC→DC変換効率を用いて計算すると、187.5WのAC電力が必要です。

電源2は定格300Wなので、150W負荷は50%負荷になります。
従って50%負荷時のAC→DC変換効率を用いて計算すると、182.9WのAC電力が必要です。

この検証結果では、80PLUS未取得である電源2の方が、必要なAC電力が少なくなりました。

○じゃあどの電源を使えばいいの?
一番重要なのは、「自分のPCに合った容量の電源を使う」です。
最近ではパーツメーカーも消費電力を開示しているメーカーが多いです。
また、ネットや雑誌等でも情報を見つける事ができます。
それらを参考に容量を選択し、その上で80PLUS認証かどうかを見てはいかがでしょうか。
 
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