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PFCについて
PFCとは・・・
  PFCとは、PowerFactorControllerの略であり(PowerFactorCorrectionとも言う)、昨今話題になっている
高調波抑制」の手法の一つです。
電源にPFCを搭載する事により、パソコンの全ての動作の安定化を図ることができます。
高力率ActivePFC
PFC搭載電源のメリット
  高調波を抑制し、力率改善が図られているので、交流入力が安定化されています。
従って、直流出力も安定化しているので、常にほぼ一定の電気を機器に供給する事ができます。
それにより、パソコンの安定化に繋がります。
また、力率が高い(100%に近い)程消費電力は少なくなりますので、力率改善を図る事により省電力化が図られます。
高調波
  高調波とは、ACが流れる際に必ず発生するもので、基本波の周波数の2倍以上のひずみ波です。
この高調波により、発生元の機器はもちろん、周囲の機器(CPU,M/B,HDD,CD-ROM等)にまで支障をきたす可能性があります。
高調波電流はコンデンサに流れやすいという特性を持っているので、コンデンサの破裂等の恐れがあります。
高調波抑制は「IEC61000-3-2」(EN61000-3-2)で規定されており、その中でもパソコン用電源(50W〜600W)は「ClassD」に
分類されます。
力率改善
 
PF=Power Factor (力率)
PFC=Power Factor Controller (力率改善回路または装置)
Eff=Efficiency(効率、ここではAC→DC変換効率)
交流電力には、有効電力・無効電力・皮相電力があり、
そこに力率は深く関わってきます。
また、交流回路において電力といえば、一般的には
有効電力
を指します。
それぞれの関係と単位は、以下の通りです。
電圧=E(V)  電流=I(A)  力率=cosθ
有効電力P=
EIcosθ(W)  無効電力=EIsinθ=EI√1-cosθ(Var)
皮相電力=EI=EIcos2θ+EIsin2θ(VA)
この関係を見ると、力率が大きければ大きい程、有効電力が大きくなり無効電力が小さくなる事がわかります。
パソコン用電源は、内部にAC→DC変換装置を持っており、
このAC→DC変換の際に変換できる電力は有効電力のみ
となります。
従って、力率が大きい程(100%に近い程)、よりたくさんの
電力をDCに変換する事が可能になります。
逆にいえば、あるDC電力を要求した際に消費するAC電力が少なくて済みます。
参考
 
使用電源1:Topower製PFC搭載電源(PF=98.9%,Eff=72%)
使用電源2:PFCなし電源(PF=60%,Eff=65%)
  皮相電力EI=100VAの場合
  1・・・P=EIcosθ=100×0.989=98.9(W)
2・・・P=EIcosθ=100×0.6=60(W)
  これをAC→DC変換すると
  1・・・P×Eff=98.9×0.72=DC71.208(W)
2・・・P×Eff=60×0.65=DC39(W)
これらの事により、420Wの電源をフルに使用した場合の消費電力(交流)は、逆算して以下の通りになります。
1・・・DC420(W)=P×0.72 → P=420÷0.72≒583(W)
2・・・DC420(W)=P×0.65 → P=420÷0.65≒646(W)
  これにより皮相電力はそれぞれ
  1・・・P=EIcosθ → EI=583÷0.989≒589(VA)
2・・・P=EIcosθ → EI=646÷0.6≒1077(VA)
  日本の家庭用コンセントは、AC100(V)なので
使用する電流は、
1・・・589÷100=5.89(A)
2・・・1077÷100=10.77(A)
となり、力率が高い(100%に近い)程消費電力は少なくなります。
  2001年9月1日現在
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